延年

文字通り延年は延命長寿を祈る、または言祝ぎをする舞で、古くは貴族たちが節会(せちえ)のあとでおこなった遊宴の際の芸能や僧侶たちが法会のあとでおこなった遊宴の際の芸能をいった。延年の語は遐齢延年(長寿の意)から出たという。芸能によって心を和やかにし、寿福を祈り、災いを除くということである。延年には稚児が出るのが特色であり、それに猿楽、舞楽(ぶがく)、風流、など雑多な芸能が加わっていた。しかし、延年というまとまった芸能はないといわれ、各種多様な芸能がおこなわれることから延年を乱遊ともいった。本県では延年はひとつのみであるが、田楽や獅子舞なども含められている大日堂舞楽をもって延年に分類することはできず、延年というより新年祝賀芸能の一形態とみてよいだろう。

小滝のチョウクライロ舞(こたきのちょうくらいろまい)