向達子番楽(むかいたっこばんがく)

所在地:山本郡三種町下岩川字向達子
開催場所:向達子生活改善センター
開催日:8月13日
カテゴリー:獅子舞・番楽
向達子というところに伝承される番楽のひとつである。この番楽は安政元年(1854年)に根子番楽(旧阿仁町)の流れを汲むとされた響村(旧二ツ井町)の神官(元修験とされる)を招いて、向達子の若者が習得したものだという。また、明治中期に地元のひとが馬場目(五城目町)に出稼ぎ中に習ってきた番楽も組み合わせて伝えたものだとされる。かつては旧暦6月1日を幕開きとして鬼面、新舞面、山の神面の3面を飾り、お神酒を供えて拝礼をおこない、番楽開きの唄とされた西間節のうちである鳥の海を唄うとした。盆の13日は番楽宿で舞う。14日は、代々この地の番楽興隆につとめたという小沢新蔵家で舞い、鎮守の神明社へ奉納し、その後見性寺の境内で舞うものであった。幕納めは旧暦8月21日で、盆の終わりとする日でもあり、番楽宿で面を並べて拝礼し、幕納めの唄を歌うものであった。調査時点では盆13日のみにおこない、演目は、新舞・夷・牛若・弁慶・佐々木・鈴木・山の神・三番叟などを伝承している。旧盆の行事とされることから先祖供養ともいうが、かつて向達子番才楽と呼ばれていたというから五穀豊穣を祈願する意味合いが強かったらしい。面は新面、翁をはじめ全部で12面あるが、不動田の神官の作と伝えられている。囃子には太鼓、笛、鉦、拍子木がつけられる。協力元・映像提供元:向達子番楽保存会

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