保呂羽山の霜月神楽(ほろわさんのしもつきかぐら)

所在地:横手市大森町八沢木字木ノ根坂
開催場所:保呂羽山波宇志別神社里宮
開催日:11月7・8日
指定:国指定重要無形民俗文化財
カテゴリー:巫女神楽・湯立神楽
この神楽は、延喜式内社出羽国九座のうちの保呂羽山波宇志別神社でおこなわれる神事のひとつで、一夜限りに演じられる神楽舞である。毎年11月7日の夜から8日の朝まで夜を徹して演じられ、奉納される神楽であることから、霜月神楽といわれる。保呂羽山山頂に祀られる波宇志別神社の遥拝殿ともなっている神主大友家の神殿で、神前に湯釜を据えて、湯立て神事とともに神楽を奏するものである。斎主は大友宮司家であるが、舞には神楽長以下舞人はすべて近在の神職、神子によっておこなわれている。神事に関わるすべてのひとは月の初めから身を清めて当日まで祭場を鋪設していくが、湯釜2つの周りの御幣や杭と、注連縄(しめなわ)には数々の切り紙がつけられるのも特徴である。注連縄の張られた中でおこなわれる舞であるが、ひとつの舞に対して必ず湯加持という湯箒で湯花を散らして舞うものがある。次第と舞は次の通りである。はじめに修祓式がなされ、次に花入ノ式から舞が始まる。次に打鳴、大祓・けんざん湯清浄と続き、湯清浄は湯立てによる清めを意味している舞である。続いて、五調子・湯加持・天道舞・湯加持・伊勢舞・保呂羽山舞・湯加持・御嶽山舞・湯加持・高岳山舞となり、夜半を過ぎるころになると山之神舞がある。次に神入舞・湯加持・辺津神舞・湯加持・壱之釜湯立式・湯加持・弐之釜湯立式・湯加持・参之釜湯立式・剣舞。この湯立式になると明け方も間近で、熱湯に笹の葉を束ねた湯箒を浸し、参拝者に湯花を振り掛けることで最高潮を迎える。その後、斎主による祝詞奏上、奉幣式に続き、奉幣式舞となり、御供頂戴が終わると神送である。最後に祝いの式では恵比寿、打身で一連の神事、舞が終わる。そのほか、式内社三座(三山)の舞が終わると山之神舞の間に米搗き舞というものもみられ、多彩な神楽や民謡が演じられている。霜月神楽は、湯立式を伴う伊勢流神楽、純神道神楽ともいわれてきたが、神子舞の託宣式の神歌や山之神舞、恵比寿などには修験信仰的要素もみられる。協力元:霜月神楽保存会

巫女神楽・湯立神楽について