願人踊(がんにんおどり)

所在地:南秋田郡八郎潟町字一日市
開催場所:一日市神社・地域内各所
開催日:5月5日
指定:県指定無形民俗文化財
カテゴリー:風流
もと諏訪神社といわれた一日市の鎮守である一日市神社の例祭でおこなわれる風流踊りのひとつ。その始まりは定かではないが、江戸時代中期にはおこなわれていたのだろうと推定され、僧形の放浪芸人が伝えたともいわれている。踊りはすべて外でおこなわれることから、はじめに神社の境内で踊り、次に町内の通りや主だった家の前で演じられる。衣装は柄のついた派手な襦袢を着た音頭上げが花笠を持ち、歌い手は十字掛けに色襷(たすき)をし、踊り手はメダリ(前掛け)を腰に垂らし、手甲、脚絆をつけ菅笠(すげがさ)を背負い杖を持ち、イヤンヤー・メデタナェー・コンノェー・オーイナェー・アンマサェー・桃太郎(ジサマ)・イセジャナェーというものなどを踊る。道中移動の時はボーボコ節というのがある。踊りの特徴は左手と左足、右手と右足を同時に出しながら踊るという一直踊りという作法である。これにより腰を左右にくねらすようになるのが妙だといわれる。オーイナェーとアンマサェーの間には必ず歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」五段目山崎街道の荒事を寸劇のようにして出す。荒事ながら笑いを呼ぶ場面でもある。なお、この踊りには囃子という囃子はないが、唄が入り、花笠を地面につけて拍子を取り、さらにささらをその花笠の持ち手の竹に叩いて囃すなどしている様子がみられる。協力元:一日市郷土芸術研究会

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